6月12日午後6時、わがボーイスカウト寒川第1団の”Economy Travel”プロジェクト参加メンバーは、再びスカウトハウスに集まった。言うまでもなく、このプロジェクトを実行するためだ。今回は本番第2回目、山梨県大月市〜長野県諏訪市までをサイクリングする。
 
これまで練習一回本番一回を実行してきたにもかかわらず、夜寝るのは午前0時と遅い。話の盛り上がるメンバーだからそう簡単には寝ないのである。
 
13日早朝4時、腕時計のアラームで起床。すぐに仕度を整えて、5時13分スカウトハウスを大月に向け荷物トラックと隊長の乗用車で出発。
 
しかしすぐわかった。悲劇の悪魔はその時点で健在であることが。
隊長が携帯電話の充電器を持ち忘れたため、乗用車だけ自宅に引き返した。自宅は近かったのだが、充電器を取って車に乗ったかと思いきや、トラックに追いつくべく猛スピードで車を走らせた。驚いたのはスカウトたち、あまりの早さに速度を落とすよう文句を言っていたら、突然車を止めて駅の前に降ろされてしまった。その場所から大月まで電車で1300円ほど。予定外の出費である。はたして、スピード違反の隊長がいけないのか、文句ブースカのスカウトがいけないのか、それを知っているのは神か、あるいは警察官か?とにかく、8時14分、大月に到着したのである。
 
荷物を降ろして8時30分大月を出発。大月の町並みはすぐに消え、緩やかな長い上り道となった。休憩を取りながらもなんとか笹子トンネルの入り口近くまで来た。
 
しかし、排気ガスだらけのトンネル内を自転車で抜けるのは不可能である。それは、下見に来たときに十分わかっている。一行は、山道をひたすら登る笹子峠の一本道を行くことになる。
 
それまでのような「緩やかな長い上り坂」が一変して「急な長い上り坂」となる。おまけに、このプロジェクトにもれなくついてくる「雨」も降ってきた。このプロジェクトメンバーには相当の雨男がいるとみえる。
 
雨は次第に強さを増し、山道は霧の中。やめるわけにも雨宿りをするわけにもいかずひたすら山を登る。そしてたどり着いた笹子峠のトンネル。長く、暗く、陰気な、湿った、映画の効果としか思えないような霧がかかり、雨が降り、よくある卵形、細い道である。ライトさえない。向こう側がみえない。まさに幽霊がいそうなトンネルである(雨が降っていたせいもあるけど)。隊長の車があたりを照らしながらトンネル内を進む。必要もないのに怪談話をしながらトンネルをやっと通過する。抜けてしまえばこっちのもの、写真を撮ったりして、休憩。
 
長い山道もそこから下り。順調に坂を下り、国道20号線に復帰。甲府市内で名物の煮込みうどんを食べて、釜無川に沿って北上。穴山橋付近の公園に午後3時50分到着。一夜を明かすことになる。

(余談ですが、ここはあくまで公園で、テントを張るには警察・消防の許可が必要です。)

夕飯のみそ仕立て鍋(みそ汁かも)とご飯とサラダを作り、夕食。しばらくするとボーイスカウト甲府団の隊長が来て、ピザとコーラをいただきました。雑談をしてから、甲府隊長は帰っていきました。
その後ゴタゴタはあったものの、午後10時には消灯。深い眠りにつきました。
 
14日朝5時30分、起床。昨日のみそ汁(違うって、鍋だって)を温め、パンを食べ、ゆったりと準備しながら8時06分キャンプを出発した。
 
悲劇の悪魔はまたイタズラをした。小泉の自転車の前輪が爆音と煙を上げて破裂したのである(本当)。
原因はパンク。見事に割れたゴムはまるで氷にパンチを喰らわした様。出発してまだ10分しかたってないのに一大事である。容疑者は長さ3センチの段ボール用ホチキス。換えのチューブがないため、大きく切ったゴムを張り付け、補修のためガムテープとスズランテープでがちがちに縛った。4分の1がガムテープ色に染まった変なタイヤを持って、花壇の前で華やかにハイ、ポーズ。明らかに悪ふざけであった。
 
9時04分改めて出発。しかしタイヤはすぐにまた破裂してしまった。隊長が替えチューブを求めてはるか先まで行ってくれた。自転車に乗れない小泉にあわせて、4人はだんだん強さを増す雨の中を歩き出した。
 
その後いつ替えチューブが届いたかは定かではない。修理をして、再度出発。精神は消耗しきっていた。
その後問題なく走り続けて、1時30分頃諏訪湖に到着。間食を入れたせいか最後まで昼食を食べることはなかった。
 
トラックに荷物を載せ、乗用車でもと来た道を戻る(中央自動車道は渋滞していた)。
小降りになってきた雨の中、2台の車は安全運転でスカウトハウスに戻ってきた。



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