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「へぇ……」
ラーナはぽかんとした顔でその話を聞いていた。自分が破天荒なのはもう知っていたが、自分と同じかそれ以上のエルフが過去に存在したことに驚いたようだ。
「…それで、そのエルフとジャック君はどうなったの?」
「さぁて。それはおまえさんがその目で確かめたほうが、おまえさんのためになるじゃろ。」
ラーナは話の続きを聞きたかったが、ちょうどそこへもう一人のエルフがやってきてしまった。
「ラーナ!!やっぱりここにいた!」
「うわっ!ニム姉!」
「エント様ごめんなさいごめんなさい!ラーナ!あんたはまたエント様に勝負なんか挑んで!ほら!ターニャ様の魔法の授業始まってるわよ!来なさい!」
「いたっ!いたたたた!耳を離して…ご、ごめんってば…いたたたた!」
ラーナは先輩のエルフに耳を掴まれ、引っ張られながら森の向こうへ戻っていった。
「ふぉっふぉっふぉ…。ニムニアも大人になったのう…。」
エントはそんな二人を見送りながら、話の続きを思い出す。
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