火炎の影の分身：

ククッ、ここまでわしを訪ねてきた
ところを見ると、おまえの心はす
でに「暗闇」という新しい気運に
触れたようだな。
新しいものに触れることは、新し
い人生を始めるようなものだと言
える。それほどに「暗闇」はおま
えに新しいものを与えるだろう。

ヒューマンを始めとする多くのつま
らない存在が、「暗闇」に対して
たやすく口にするのを聞いたこと
があるだろう。
しかし、決してそうではない。
「暗闇」という気運が存在しなか
ったら、光という気運の存在も有
り得ないのだ。
光という気運は、「暗闇」という
気運があるから存在するのであっ
て、光が高尚なら「暗闇」もまた
そうなのだ。
光の子供達や妖精たちさえも「暗
闇」に包まれて堕落するではない
か？それほど「暗闇」とは良いも
のなのだ。ふっふっふっ。

よく考えてみろ。おまえをここま
で登って来させたのは、いったい
何なのか。
おまえをここまで来させたのは、
暗闇に対するおまえの意志なんだ
。

おまえは、わしを通してとてつも
ない力を得られるかもしれないと
いう事を覚えておけ。
おまえのようなつまらなく、ちっ
ぽけなものに関心をおく者は、こ
の世には誰もいないということも
知っておけ。

ククッおまえの魂はまだ疑いを捨て
きれずにいるな。

ここまで苦労して来たのに、それ
を放棄するのか？おまえ自身の意
思が下した結果を、確認もせずに
放棄するのか？
何かのために、一つの目的のため
に走ってきたなら、その結果とし
ての何かを開いて見なければなら
ないんじゃないのか？

うぅ
仮にも、わしの言うことを無視し
たり、うわの空で聞いていたなら
ば、おまえは後悔する事になるだ
ろう。
わしを怒らせないでくれ。わしを
怒らせれば、おまえの体と魂まで
もぐちゃぐちゃに引き裂いてやる
。
いや、おまえとの関係のある全ての
存在を殺傷するだろう。クックック
ッ。

暗闇の気運に出合う