アタロゼ:


私のマスターはラスタバドで史官を
しておられました。生涯を偽りや
歪みのない歴史を記録に力を注い
でいらっしゃいましたが、その代
償として惨たらしい制裁を科せら
れたのです。
ある夜、マスターは全身を黒に覆っ
た輩に拉致されました。お戻りに
なった時には目をくり貫かれ、指
を失った状態だったのです。
私はその時、マスターはもう執筆を
お辞めになると思いました。です
が、不自由なお体にもかかわらず
歴史記録をお止めになることはあ
りませんでした。

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