タラス:

ダークエルフ・・・彼らはエルフと
は対極に位置する暗闇のアライメン
トを持った存在だと言えるのだ。
我々アインハザードに仕える生命体
にとっては、タブー視される存在
、グランカインに仕える彼らは、暗
闇の祝福を受ける者たちなのだ。
君たちに昔話を一つ聞かせてあげ
よう。この話は、神々が生きてい
た黄金時代の話なのだ。

太古の地に創造の神アインハザード
の祝福を受け、聖なる種族「エルフ
」は誕生した。彼らはどんな生物
より抜きん出た容貌と高い知性を
持ち、自然を愛し、精霊と対話を
交わし、全ての創造物の中でも、
神からの祝福を全身に受けた最高
の生命と言えたのだ。

時が流れ、この世に創造主が作っ
た生命達が、この世の地の果てま
で行き渡り、社会を作り暮らすよ
うになった時、この世の生命体の
頂点に立っていたのは神からの祝
福を受けたエルフだった。そして頂
点に立っているという傲慢さが、
エルフの間で生まれ始めたのだ。

そして、そんな傲慢さは、エルフの
間に不審と憎悪をもたらし始めた


そんなとき、エルフとヒューマンの
戦争が発生した。創造物の頂点と
いう己の傲慢さが生まれていたエ
ルフ達は、結果団結する事が出来
なかった。エルフ達は、ヒューマン
のあたかも災難のような破壊力と
、その残忍性を兼ね備えた団結力
に押され、暗い森へ追い出されて
いった。

戦争が終わった後、自分達の傲慢
さを反省したエルフ達は、本来の純
粋だった心そのままに、自然と同
化して暮らして行くことを望んだ
が、そんな考えに同調できないエ
ルフ達もいた。同調できなかったエ
ルフ達は、ヒューマンが善悪を区分
できないが故、ただ自らの発展の
ためだけに受け入れている自由を
、自分たちも持たなければならな
いと主張するようになったのだ。

また、この戦争で敗れた何人かの
エルフは、自分たちの軟弱さに憤慨
し、自分たちの創造主である「ア
インハザード」に背を向け、暗黒の
神「グランカイン」に仕えるように
なり、自らの肌の色を自らが仕え
る神「グランカイン」と同じように
、黒く染めあげたのだ。彼らはそ
のとき「アインハザード」の逆鱗に
触れ、アインハザードの呪いを受た
。もはや永遠の生命に近い生命力
は奪われ、代わりにヒューマンに似
た余りにも短い寿命を持つように
なったのだ。

しかし、もっと恐ろしいことは、
彼らの存在ではなく、彼らが使用
する暗黒の力で生成された黒魔法
だと言える。古代の魔法書による
と、彼らは自分の生命力を黒く燃
やし、それを黒魔法の材料に使用
したと言う。彼らの意志が強力な
だけ、その威力は絶大なのだ。ひ
いては、彼らが魔族と結託したと
いう噂も聞こえてきている。結局
、彼らはどんな代価を払っても、
この地上を戦争の奈落の底に落と
したいようだ。

私の話が、おもしろかったどうか
わからないがな。

年を取り忙しく暮らしていると、
時々訪ねて来るお前のような冒険
家に会えるのがとてもうれしくて
、ついつい長話をしてしまうのだ