暗殺隊副官 キマ:

君は何のために生きている?君は
今までの人生で、悔やんでも悔や
みきれないことはなかったか?


私は…この頃…私がこれまでして
きたことに対して…疑問を感じて
いる。いや、後悔の涙を流してい
る。

私が…今まで…何のために…誰か
を殺し…なぜ彼らの大事なものを
奪ってしまったのか、どうしても
理解できないのだ。

一体何のために生きるているのか
…「私」という存在にさえ、疑問
がこみ上げるのだ。

もちろん、自分のためだけに生き
ている者などいないことは、明白
な真理だが…。

果たして…私が…死を迎えるその
瞬間に…自分の一生を悔いはしな
いか?私のために心から涙を流す
者がいるか?


誰かが…いつも私に任務を与える
。それが善意のものでも、悪意の
ものでも…。
これまで私には選ぶ権利すらなく
…いやむしろ、暗黙の恐怖によっ
てその任務を果たしてきた。


私はもうロンドゥやブルディカの操り
人形にはならない…ずいぶんと前
から私の心は、彼らの存在を否定
している。
ロンドゥはいつか私に言った。われ
らこそ正道だと。
ブルディカもまた私に言った。われ
らは誤った歴史を正しているのだ
と。
けれども彼らが命じることはいつ
も、誰かを暗殺すること…。


彼らは…誰かの命を奪い、夜空に
浮かぶ月を眺めながら流す涙の意
味を知ることはない。
彼らは…誰かの命を奪い、冷たい
寝床に横たわって胸の奥からこみ
上げる苦しみもまた知ることはな
い。
彼らは…誰かを暗殺するために自
分を捨てる、その悲しみを絶対に
知ることはない。


必ず…私をこのようにした者たち
を…私の時間を奪っていった者た
ちを…彼らに教わったように、冷
徹に始末してくれよう。