魔法書販売人 アントン:

数日前にルウンで無類の読書好きで知られるクラー
クさんが、地下倉庫の書物を見せてくれと図書館に
やって来ましてね。その時もしかして彼ならあの本
のこと知っているかなーと思って見せたんですよ。

ぷっ、あの時のクラークさんったら...あなたに
も見せたかった...。彼ったら大はしゃぎで、ま
るで生き別れの友達でも探し当てたようないきおい
で、本をぎゅーっと抱きしめちゃってね。どうした
のかって聞いたんです。そしたらクラークさんは昔
、太古の島の探検隊の一員で、その時の探検隊長の
マルケスさんとは親友だったそうですが、その本は
探検隊が初めて太古の島を訪れたときに、島の神話
と歴史について記した唯一の書物なんだそうです。
マルケスさんは長い間ずっとその本を探し続けてい
たんですって。

へぇ、そういうこともあるですね