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回路を使わずKovarex濃縮プロセスをする

今回は回路や鉄道から離れて、単に自分が使っているプラントを紹介したい。
ウラン235の安定供給に必須な「Kovarex濃縮プロセス」を回路なしで行うプラントである。

プラントの稼働風景と建設計画

以下の画像が、自分が使っているKovarex濃縮プロセスのプラントである。


Kovarex濃縮プロセスを行うプラント。
画像下部の要求チェストはウラン238をベルトに補給する。
フィルター(紫)インサータはブラックリストでウラン238を指定してあるので、生産されたウラン235をベルトから取り上げる。
画像では見栄えの都合で遠心分離機が4台しか映っていないが、その4台の部分をこの画像の上方向に繰り返し配置することでプラントの規模を拡張できる。
遠心分離機を画像の5倍の20台に拡張させた建設計画はこちら

図をご覧いただいてわかるとおり、このプラントでは遠心分離機1台に対してベルトは1本しか接していない。

Factorioにおいて最も基本的な工程である鉄板の生産プラントでは、炉に「鉄鉱石」を投入し「鉄板」を取り出す。
つまり入力側と出力側が異なるアイテムなので、一般的な鉄板プラントでは1台の炉に対してベルトを2本使うはずである。

一方Kovarex濃縮プロセスでは「ウラン」を投入し「ウラン」を取り出す。
つまり入力側と出力側が同じアイテムなので、遠心分離機に入力するベルトと出力するベルトは1本にまとめられるのではないか、 という着想から制作を開始し、浮かび上がった課題に対して対症療法的に以下の措置を追加して出来たのが画像のプラントである。

  • インサータは遠心分離機から取り出されたウランをベルトの遠い側へ置く。
    このためこのプラントでは、ベルトの外周には生産素材となるウラン238を流しつつ、ベルトの内周は空けておくように考慮されている。
    図中の青枠部がその仕組みで、このようなベルト配置にすることで 「ベルト内周のウラン>ベルト外周のウラン>要求チェストからのウラン」 という3段階の優先順位に基づいて全ウランをベルトの外周へ合流させることができる。
  • 遠心分離機からウランを取り出すインサータは、遠心分離機にウランを取り込むインサータより上流に置かれている。
    この配置によって、遠心分離機から取り出されたウランはベルトの上流に置かれ、 直後に下流のインサータに拾われて同じ遠心分離機へ戻すことが可能になる。
    Kovarex濃縮プロセスでは一度の生産でウランが計43個も取り出されてしまうため、 それらをそのままベルトに流すと溢れて詰まってしまうが、 取り出されたウランを自分自身に取り込めばベルトに流れるのは生産で増えた分だけになるため、詰まりを防止でき、 ベルトやインサータも省コスト省電力な黄色グレードで間に合わせることができる。
  • 遠心分離機からウランを取り出すインサータと、遠心分離機にウランを取り込むインサータは、 大抵の場合はうまく連動して動き、取り出されたウランを同じ遠心分離器に取り込んでくれるが、時々取りこぼすことがある。
    取りこぼすとその分だけ遠心分離機のなかのウランが減ってしまうが、 ベルトの上流からも同様に取りこぼされたりまたは生産されて増えた分のウランが流れてくるため、 それらを拾うことで減った分が補われるので全体としては問題なく動作する。
    ただしベルトの最上流の遠心分離機だけは上流からおこぼれが流れてこないので、 その1台にだけはロングアームインサータを追加配備し、向かい側のベルトのおこぼれにありつける体制を作っておく。
    いうなれば、最上流の遠心分離機は最下流の遠心分離機でもあるわけである。

このプラントにはひとつ難点がある。始動が面倒くさい。
始動の際には工場長が手でウラン235(明るい緑のウラン)を100個、各遠心分離器に入れる必要がある。
ウラン238(暗い緑のウラン)はインサータで自動で取り込まれるに任せるか、プラントが動く姿をどうしても早く見たい時は手で15個程度入れる。
それ以上多量のウランを入れてはならない。

なぜか。
上記した通り、このプラントでは「遠心分離機から取り出されたウランを、同じ遠心分離機に取り込む」 ことによってベルトの詰まりを防いでいる。
ところが工場長が手でウランを入れると大抵入れすぎるので遠心分離機はお腹いっぱいになってしまい、 インサータがウランを取り出すばかりで取り込まなくなるため、ベルトが詰まってプラントが止まってしまうのである。

そんなわけでなかなか繊細で難点のあるプラントだが、面倒なのは始動だけ。
最初の10生産程度を上手くやり過ごせばあとは手放しで動くので、稼働開始後はしばらく付き添い、 ベルトの内周が詰まって取り出し側インサータが止まってしまったときだけ取り除いてあげてほしい。

なお、ベルトの外周が詰まる分には取り出しに支障しないので放置で問題ない。
また画像では要求チェスト(青チェスト)からウラン238を補給しているが、 ウラン鉱石からウランを濃縮するプラントの出口を青チェストの場所に直接つないでも問題ない。
ウラン鉱石から低確率で発生するウラン235は上記したとおり途中の遠心分離機に補給されるか、 されなくても最下流のフィルターインサータで排出されるからだ。

Kovarex濃縮プロセスに回路は必要か?

GoogleでKovarex濃縮プロセスについて検索すると、まるで濃縮には回路が必須かのように、 濃縮と回路がセットで紹介されていることがある。
上記のプラントでは、回路は使っていない。

濃縮と回路がセットで紹介されることには理由がある。
回路で制御せずにKovarex濃縮プロセスをする場合、遠心分離機は貴重なウラン235を約120個も食べてしまう。
濃縮に必要なウラン235は40個なので、残りの80個は予備として内部に保留するだけで生産には寄与しない。
つまり予備を食べないようにすれば遠心分離機を3倍多く稼働して生産量を増やせるので、 その制御に回路が使われるわけである。

それ自体は何も間違っていないのだが、実際やってみるとある事実に行き着く。
Kovarex濃縮プロセスが安定稼働し始めるとウラン235が増え、結構わりとすぐにウランがだだ余る世界がやってくる。
その段階になると回路は用済み、ただプラントをややこしくするだけである。

そんなわけで、Factorioを時間をかけてゆっくり遊べる人ならばKovarex濃縮プロセスに回路は不要なので、 ぜひ回路わからんと匙を投げずに濃縮にチャレンジしてほしい。
上で紹介したプラントでなくとも、適当に濃縮プラントを建てて動かし、 剥き出しのウラン235が夜間にベルトの上で淡く光るのを見て放射線を感じながらコーヒーを飲んでいればじきウランは増える。
増えたらさらに濃縮プラントを建て増しすれば、あとは指数関数的にウランが濃縮されていくだろう。

かつてさんざん回路が云々などと記事を書いた自分があえて回路は不要などとは矛盾しているとも思えるが、 自分としては回路無しで同じことが出来るなら回路は使わないほうがいいというのが本音である。
回路無しのほうが簡単で早く作れて、動きが単純でわかりやすく、予想外の挙動を起こしにくいという点で優れているからだ。
そのうえで、回路を使えばより優れた結果が期待できるなら、その時は回路の出番である。


ウラン235を十分用意できないうちはこういうのもありかも。こちらも回路不使用。
左のチェストにウラン235を40個、触媒のウラン238はたっぷり入れておく。
(ウラン235がループできるよう、右のチェストは空のまま、左のチェストは最低1マス空けておくこと。)
あとは濃縮が1回進むごとにウラン235が1個ずつ増えていく。
見ての通り遠心分離機1台でループが完結しているので、少ないウランを他の設備と奪い合って負けた側が停止するといった心配もない。
ウラン235が十分増えたら撤去して、冒頭に書いたような大きなプラントに移行しよう。


もし上の図に回路を足すとしたらこんなかな。(スタックインサータが1度に10個以上アイテムを掴めるまで研究済みの場合。)
図中の赤い線のように、インサータB・C・Dをレッドワイヤーで繋ぐ。
Kovarex濃縮プロセスは完了するとウラン235を41個(生産性モジュール使用時は最大42個)排出するが、 濃縮を続行するためにはそのうち40個を遠心分離器に戻し、残りを利得として取り出す必要がある。 このプラントでは各インサータの設定を以下の通り工夫することで、戻し分と利得分の分離を自動化している。
Aのインサータにはフィルターでウラン235が指定してあるので、遠心分離機の排出のうちウラン235だけを取り出す。
Bのインサータには「スタックサイズ:10」が指定してあるので、ウランを一度に最大10個しか運ばず、 よって排出されるウランを10+10+10+10+利得分の5回に分けて運ぶ。 また回路設定で「掴んでいるアイテムを取得」を指定しているので、ウランを掴むとその個数をCとDに送る。
Cのインサータには回路設定で「ウランが10個の場合」、Dには同「ウランが10個未満の場合」を指定してあるので、 Bが5回に分けて運ぶウランのうちの4回×10個はCが遠心分離器に戻し、残った利得分をDがループから排出することで目的を達成する。
ウラン238については十分余っているはずなので、Eのインサータにフィルターでウラン238を指定した以外は特筆することもなく、 好きなだけ食べて戻せるようにしてある。建設計画
プラントを設置したら、ウラン235を40個入れて稼働開始する。 (チェストに入れてもDのインサータで排出されてしまうので、遠心分離器に直接ウランを入れる。)
ちなみにウラン40個でも動かせるが、それだと排出されたウランがループして再投入されるまで設備が止まってしまう。 ウランに余裕があるなら予備にもう40個追加しておくと無停止化できる。回路は上記図のままでOK。

老婆心ながら最後にひとつ注意を挙げておくと、原子力発電をするつもりなら、ウラン238もある程度は残しておこう。
発電に必要な燃料棒の材料はウラン235が1個に対してウラン238が19個と後者が莫大に多いので、 面白がって濃縮に使い過ぎると反省の毎日が待っている。

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