手旗信号の送受信手順

手旗交信法、その他「手旗マナー」について。では、とりあえずここに手旗交信法、一般基本を載せておきます。

①一般基本

  1. 送信者、起信形象を送る。
  2. 受信者、往信形象を送る。
  3. 送信者、本文を送る。
  4. 送信者、終信形象を送る。
  5. 受信者、解信形象を送る。
  6. 長文の場合は、これを数句に分けて区点形象で区切る。
  7. 受信者、解信形象を送る。
  8. 送信者、解信形象を確認の後、原姿に戻り後文を送る。

(参照 スカウト手帳 1992年版)

つまりはこうです。(かも知れない)

  1. 送信者、起信形象を見せる。
  2. 受信者、往信形象を見せる。
  3. 送信者、本文を打つ。
  4. 送信者、終信形象を見せる。
  5. 受信者、解信形象を見せる。
  6. 続きがあれば、3番に戻る。長文であれば、区点形象で区切る。

ただ、気になるのは交信をやめる方法です。スカウト手帳にもそんなのは載っていないんです。
第一、わが寒川一団では、1番~5番までしかやらないので、つまりは本当にこれでいいのか、といわれるとわかりません。
ですので、終わり方にはふれないでおきます。
ところで、起信形象とは何でしょうか。これは読んで字のごとく、【交信を起こす】形象です。
『これから交信するよ、準備いいかい』というわけです。
これに対して、受信者は往信形象を送ります。【交信に応じる準備ができたことを示す】形象です。
『準備よし、いつでもどうぞ』となります。
送信者は、ここで本文を送ります。本文の送り方は前回やったとおりです。
ただし、長文の場合は、区点形象で数句に区切ります。句点とはもちろん、丸。のことです。
送信者は、本文の後に終信形象を送ります。トランシーバーなら、「こちら○○、どうぞ」の「どうぞ」の部分になります。
『本文終わり』となります。
受信者は、解信形象を送ります。訳しにくいですが、『ああそうですか』といった感じです。

ここまでで頭の痛くなった人、いるでしょう。どうぞゆっくり覚えてください。 息抜きについでに、前回分の0から14までの数字の打ち方の表の中に、合成写真がいくつもありますので、探してみてはどうでしょうか。1枚や2枚ではありませんよ。

さて、手旗とて人間のする事ですから、間違える場合もありますし、なにいってんだかわからなくなる場合もあります。そんなとき、こんな動作をします。

②送信者が誤字、脱字を出して取り消す場合

  1. 送信者は、誤りを知った時点で、消信形象を3回以上連送する。
  2. 誤ったところの数字前、(区切りのよいところ)からくり返して送る。

③受信者が再送を乞う場合(一部再送)

  1. 受信者は、解読できなかった時点で消信形象を数回送り、「…カラサラ」で再送する部分を指定する。
  2. 送信者は解信形象を送り、続いて指定箇所から再送する。
  3. 受信者は、不明部分が解読できた時点で解信形象を送る。
  4. 送信者は、再送を中止し本文を続けて送る。

(参照 スカウト手帳 1992年版)

何となくふつうの言葉のやりとりのように見えるでしょう。 ②は、~~~~~、おおっといけねえ、まちがいだぞ、まちがい。じつは…………なんだ」といった感じです。
③も、「おい、おまえ今なんて言った?「~~~~~」の次さ」となるでしょう。
なお、の1の「…カラサラ」は、「…から更」ではないかと思われます。

さらにひどい場合、全文を再送してもらうこともできます。

④送信者が全文を取り消す場合

  1. 送信者は消信形象を3回以上連送し、続いて終信形象を送る。
  2. 送信者は、受信者の応答を確認してから原姿に戻る。
  3. 受信者は、消信形象に続いて終信形象で応答する。
  4. 送信者は、起信形象から送信を始める。

⑤受信者から全文の再送を乞う場合

  1. 受信者は、消信形象を数回連送し、つづいて「サラ」を送る。
  2. 送信者は、消信形象を数回連送し、続いて起信形象から再送を始める。

(参照 スカウト手帳 1992年版)

だいたい解っていただけたでしょうか。目が回ってきそうなのはあなただけではありません。
ほかのこのページを見ている人もおそらく目が回っているでしょうし、私も眠くて目がまわってきました。
これで、今回の私の役目はほとんど終わりです。このページで手旗信号が理解していただけたなら、私はうれしいです。(そうでないなら、ややかなしいです。)
最後に、このページのPart.1とPart.2について間違いを探してくれたMVGのみなさんと参考にさせていただいたスカウト手帳1992の制作者の方々、それに今回この学問のページをみていただいたすべての方、どうもありがとうございました。
最後になりますが、起信往信解信終信消信その他の形象一覧を載せておきます。
ただし、略信から下は私も知らないので、意味は分かりません。

起信両手を上に上げ、左右交互にばたばたする。
往信両手を上下にばたばたする。
終信両手を上に伸ばす。数字表現の12と同じ。
消信右手を上向きにばたばたする。
解信両手をそろえて左右にばたばたする。
略信両手を斜め下に向ける動作をする。
中継不明
句点数字表現の14と同じ。
読点右手を斜め下に向ける。
新章数字表現の7と同じ。
数学数字表現の13と同じ。
括弧両手を斜め下に向ける。
小括弧左手を左に伸ばす。
帰除線数字表現の11と同じ。
問符左手を斜め下に向ける。

(参照 スカウト手帳 1992年版)